低Na血症:血清Na濃度 ≦ 130〜135mEq/L
低Na血症では脳の神経細胞が浮腫を起こす
細胞外液の浸透圧(張度)が低下して、
細胞内に水が流入する。
特に脳の神経細胞に浮腫が生じて,
神経症状 (意識障害, 痙攣, 嘔吐 etc)
を起こす。
一見, 無症状に見えても, 転倒リスクが増大すると言われている。
脳細胞は, 細胞外液の浸透圧が下がると,
細胞内の有効浸透圧物質を放出し, 細胞容積を一定に保とうとする。
この機構が完成するのに, 約48時間を要する。
発症後,48時間以上を経過した場合に,
急激にNa濃度の補正を行うと, 細胞内から細胞外へ水が流出し,細胞内脱水が生じる。
偽性低Na血症の除外
高トリグリセライド血症, 高コレステロール血症, 高蛋白血症
では検査上の問題で, 血清Na濃度を低く測定される。
→動脈血ガス分析器での測定で確認する。
低Na血症の補正
Na<125mEq/Lで, 重篤な症状がある時,
3%食塩水 (生食400mL+10%NaCl 120mL)
の投与に踏み切る。
輸液ポンプで, 3%食塩水 30mL/時 から開始。
専門家にコンサルト
1日の補正濃度を8mEq/L以下にする
1~2時間毎にNaを測定
症状があり, 48時間未満
治療による神経合併症の危険が少ないので,
症状に応じた速度で投与する。
症状と補正速度
症状があるかないか → 1mEq/L /時
神経症状がある → 2mEq/L/時
昏睡・痙攣 → 3~5mEq/L/時
脳ヘルニアを疑う →
「100mlを10分でボーラス投与」
を1〜2回
症状があるが, 48時間経過または発症時期不明
治療による神経合併症を起こしやすいので慎重に補正する。
尿の張度を測定して
尿[Na]+尿[K]>血清[Na] または 症状が重篤
⓶その後は、0.5mEq/L/時で緩徐に投与。
12mEq/L/日を超えないようにする。
尿[Na]+尿[K]<血清[Na] かつ 症状が軽微
生食 (0.9%食塩水) を投与または水制限
無症候性, 48時間以上経過
補正しない
補正しすぎた低Na血症の治療
尿が高張でなく, 少ない場合
デスモプレッシン ( 4μg/A ) 1〜2A 静注
浸透圧性脱髄症候群
無言症, 構音障害から始まり, 閉じ込め症候群, 傾眠傾向が出現。
重篤になると昏睡になる。
血清Na補正直後ではなく, 2〜3日後に出現する。
重篤になると昏睡になる。
血清Na補正直後ではなく, 2〜3日後に出現する。
治療は困難で, 起こさないことが重要。
リスク因子
・アルコール多飲
・低栄養
・低カリウム血症
・サイアザイド剤服用中, 女性
・火傷
